BIMとは?
BIM = Building Information Modeling
<建物情報のモデルデータ化>
コンピュータ上に現実の建物と同様の情報を持った3Dモデルを構築し、建物づくり(PJ関係者間での合意形成を経た設計・施工)及び建物の完成後の維持管理に活用するために管理し利用するプロセス
[3Dモデル]
建物のコンピュータ上に作成された、主に3次元の形状情報と属性情報を併せ持つデジタルデータ
※属性情報
建物や外構等各部位・部材ごとの材料・仕様・性能、室等の名称・用途・面積・仕上、コスト等

3Dモデルの一例(by Autodesk Revit)
レック都市地域研究所ではBIMのプロセスのうち、大本となる3D意匠モデルの作成及びそのモデルデータを基にした意匠設計図面の作成をメイン業務としており、以下は主に設計段階のBIMに関して記します
2DCADとBIMの図面作成方法の違い
2DCAD
◆線による図形と文字等の情報による平面的なデータを図面ごとに作成して表示

BIM
◆形状情報・属性情報を含む3Dモデルを作成し、図面種類ごとに必要な情報を取り出して表示
◆図面作成イメージ
・3Dモデルから切り出してビュー(2D図面として映す面)を作り必要な属性情報を表示する
・属性情報をリストに表示する
例えば・・・
水平に切る ⇒ 平面図
縦に切る ⇒ 断面図
外部から見る ⇒ 立面図
建具データを集約・整理して図面化・リスト化する ⇒ 建具キープラン・建具表

3Dモデル
![]() 平面ビュー | ![]() 平面図 |
![]() 立面ビュー | ![]() 立面図 |
![]() 断面ビュー | ![]() 断面図 |
BIMの特徴(設計において)
高い整合性を持つ設計図の作成が可能
◆BIMによる各図面は元々が同じ建物データからの情報であり常に整合している
(2DCADの場合、異なる図面間ではたとえ同一のデータファイル内であっても互いに連携できない)
◆モデルの変更・修正により各図面にそのまま反映できる
(図面ごとに補足的に描き加えた2D要素を除く)
(2DCADの場合、個々の図面それぞれ別個に作成・変更・修正等を行うので整合のチェックが常に必要)
◆意匠、構造、設備各モデルの統合、干渉等チェックにより整合性を高めた設計が可能となり、従来の2DCAD図面でなかなか避けられなかった施工時の設計図面間の不整合により生じる問題が激減し、余分な手間やコストを回避できる
◆建物部位や用途によっては、メーカー製作品のモデルやマテハン(搬送機器)モデル等様々なモデルとも統合させ納まり・デザイン確認や干渉チェック等を行うことにより、さらなる総合的な整合性を高めた建築計画とすることが可能
1つのモデルデータで様々なことが可能
◆プラグインアプリケーション等ツールを用いた、性能や法規等に関する様々なシミュレーション・検証
・環境シミュレーション、省エネルギー計算、法規チェック、日影チェックなど

◆プレゼンテーション・デザインチェック
・外観・内観パース、鳥瞰・ウォークスルー等の動画など、レンダリング・VRソフト等の活用でさらにリアルな表現が可能


◆施工前に仮想の建物として確認ができる(整合性の高い図面、3D~VR等も活用可能)ため、建築主ほか関係者の理解が進みやすく、設計内容について合意形成を図ることにひじょうに有効である
スピードアップ・効率化に有効
◆モデルを作成・変更・修正することにより関係する全ての図面に反映されるため設計図書作成実務のスピードアップ・効率化に繋がる
BIMの課題と将来(設計において)
課題
◆モデル作成に時間と手間を要する(特に最初の立上げ時)
◆導入・維持コストがかかる(高性能のパソコン、アプリケーション使用代、教育費用・・・)
◆BIMソフトの操作方法が若干複雑であるため教育・研修に時間がかかる
⇒レック都市地域研究所においては
グループ制にてPJ対応、アプリケーションのワークシェアリング機能を活かし効率化を図ります
PC等の導入を計画的に実施し、社員に対してはPCやアプリケーション等をもちろん貸与します
入社される方には入社時研修の後引き続いてオンジョブによる社内教育を十分に実施しますので安心です
将来
◆国内外業界において建設時のBIMのプロセス導入が要求されており、BIMによる設計業務が主流となる
◆3Dモデルデータを情報データベースとして様々なアプリケーション、AIやIoT等との連携が可能となり、建設DXの基軸となる